「新・物理入門」は難関大受験に必須!素晴らしすぎて感動したので使い方を教えたい
難関大を目指すなら、絶対に読んで欲しい「新・物理入門」。
僕は受験当時この本を読んで、物理学の本質や法則を理解するたびに、自然現象の美しさに感動していました。
あなたは、物理の公式や法則を正確に理解できていると言えるでしょうか?
- 微分を使って速度と加速度の定義を正確に言えますか?
- 力学的エネルギー保存則がどうして成り立つか知っていますか?
- 難関大に頻出の、重心運動と相対運動についての話を知っていますか?
- スリット幅を変えたり、数を増やしたりすると、干渉縞がどのように変化するか言えますか? それを計算で表せますか?
どれか1つでもわからないことがあるのなら、この参考書は読む価値があります!
実はネット上をみても「新・物理入門」について、まともなことを書いてあるサイトが他にありません…
この記事で、特徴から具体的な使い方まで、徹底解説します!
新・物理入門 (駿台受験シリーズ)について
概要
科目 | 物理 |
出版社 | 駿台文庫 |
目的 | 公式や法則の理解・自然現象の理解を深める |
難易度 | 難関大レベル〜大学レベル |
駿台の名物講師であった、山本義隆先生が書いた参考書です。
この先生は、科学史家でもあり、物理学の発展の歴史について非常に為になる本も書いています。
東大で教鞭をとっていた教授がその本をオススメしていたくらいなので、著者の能力にはかなりの信頼がおけると思います!
本の特徴
高校数学と、多少の微分方程式を用いて、物理学を理解しよう、と言うコンセプトの本。
教科書に載っている公式や法則がなぜ成り立つのかを数学的・物理的に解説しています。
名前には「入門」とありますが、「(大学の)物理学の入門」という意味なので、難易度は高校レベルを一部超えています。
問題はほぼ載っていないので、受験のためにはこれと問題集を一緒に使うのが良いです。
使用目的
- 公式や法則がなぜ成り立つのか知るため
- 物理学に対する理解を深めるため
- 物理的感覚を養い、本質を悟るため
上の3つの目的は、受験で問題を解くためには一見関係がないようにも思えます。しかし、それは短絡的な考えであると言わざると得ません。
これらによって、以下のような良い効果が得られます。
- 問題の状況設定がすぐ分かるようになる
- いつ公式を使えば良いかが分かるようになる
- 問題での物理現象が理解できるので、問題が解きやすくなる
- 本質が理解できるので、ちょっと難しい問題でも簡単に解けるようになる
- 記述問題も物理的・論理的にかけるようになる
特に難関大学を受験する人は、難しい問題を解かなくてはなりません。そのためには、物理の本質を理解しなくてはならないのです。
各章の構成
- 物理学理論と物理的世界
- 力学
- 熱学
- 力学的な波動
- 電磁気学
- 光学
- 微視的世界の物理学
対象者
- 簡単にでも良いので、数学Ⅲの微積分を学んだ難関大学志望の受験生
- 物理の本質を知りたい受験生
数Ⅲの知識を必要とされます。数学の勉強がある程度進んで来たら、物理の勉強に入っていきましょう。
ですが、数Ⅲを使う頻度も、そこまで多いわけではないです。数ⅡBが終わっていれば、必要最低限の部分は理解できます。
もしわからない部分があったら、数学をもう少し勉強してから読み直しましょう!
新物理入門はかなり難しいので、基礎的な問題集を一冊終わらせてからのほうが挫折しにくいと思います。
- 微分積分などの基礎的な知識があるか
- 基礎的な問題集をこなしたことがあるか
分量
- 342ページ
ページ数だけでは、そこまで多いとは感じないかもしれませんが、Ⅰページの密度がもの凄く濃いです。一気に終わらせようとしても理解しきれないので、少しずつ進めて理解していきましょう。
姉妹書「新・物理入門問題演習」は買う必要があるか?
結論から言うと、買う必要はありません。
「新・物理入門」には姉妹書であり、問題演習用の「新・物理入門問題演習」があります。「新・物理入門」の内容に関連した問題や解説などもありますが、それほど多いわけではありません。
この問題集の問題選定や解説などは少しクセが強いですし、そもそもかなり難しい問題集なので、使いこなすのは難しいです。
他に良い問題集はたくさんあるので、あえてこれを使う理由はないと思います。
「新・物理入門」のオススメポイント!
受験を意識した大学の「物理学」が勉強できる!
もし大学生が使うような物理の教科書で勉強しようとしたら、受験に全然出ないような内容まで沢山やらなくてはなりません。
しかし、「新・物理入門」は受験に関係する範囲で、知っておくべき物理学の内容を教えてくれます。
つまり、比較的即効性のある物理の勉強ができるのです。
大学レベルの数学を使わなくても良い!
これはかなり難しいことで、微積分を使った参考書などを見ると、大学レベルの数学を適切な解説もなしに使っているものもあります。
わざわざ大学レベルの数学を勉強する必要はないので、受験に焦点を絞った本質の理解ができるのです。
大学レベルの数学をわざわざ勉強する必要もないのに、物理の理解度を最高レベルまで引き上げてくれます!
入試で高得点が狙える!
天下り的に公式を覚えることがないので、公式や法則の成り立ち・使い方・意味までをかなり理解することができます。
問題作成の意図や背景まで見えることがありますし、どう解くべきなのかも一瞬で分かるようになるので、難関大学の入試で高得点を取ることが可能になります!
そして何よりも楽しい!
世界の法則を取り扱う「物理学」の一端を学ぶことができます。
なぜ、どのようにその現象が起きているのかを理解できるようになるのは、理系の学生にとってはご褒美です。
受験に絞ったつまらない勉強をやるよりも、楽しく本質を理解して、高得点が取れる勉強のほうが良いに決まってます!
「新・物理入門」の欠点・短所
一部数学Ⅲが必要になる
コンセプトからして致し方ないのですが、数Ⅲの微積分の知識が必要になります。
もちろん数ⅡBまでの知識である程度は分かるのですが、全てを理解することはできません。
ですが、そこまで数Ⅲをバリバリ使うわけではないです。
さらに実は、「新・物理入門」の中に多少は数Ⅲについての解説があります。基本的な微積分の概念が身についていれば、使用に際して大きな問題はないと思います。
微分方程式の知識も少し必要
現在の新課程では範囲外となっている微分方程式についての知識も必要です。
しかし、簡単なものしか出てこないので、そこまで身構える必要はありません。必要になった時にちょっと勉強すれば十分です。
「新・物理入門」の使い方
2種類の使い方があります。
- 問題集を解く前にその分野について読み通し、体系的に理解する
- 問題を解いて分からないことや気になることが出たら確認する
それぞれについては以下で詳しく解説します!
問題集を解く前にその分野について読み通し、体系的に理解する
まず「新・物理入門」を一通り読むことで、体系的に理論を身に着けます。
その後、問題演習などを通して、学んだ理論の確認や定着を図っていきましょう。
このプロセスは、力学・電磁気など、比較的大きな区分で考えてください。例えば、力学の中でも、円運動の部分をだけ読んで問題演習をするのは望ましくありません。
何故かと言うと、そうしないと体系的に理論を理解することができないからです。
部分的に読んだだけでもある程度の理解はできますが、その分野全体を通してやったときの理解には及びません。
以上のプロセスは、どこかで必ず1回はやらなくてはなりません。
問題を解いて分からないことや気になることが出たら確認する
ここも非常に重要です。問題を解いたら、答え合わせだけで終わらせずに、この「新・物理入門」を使って、疑問点の解消をしていきましょう。
物理の実力をつけるために、たくさん問題を解く必要はありません。むしろ、それだけだと伸び悩む原因になり得ます。
一つ一つの問題の解説を丁寧に読み込むだけではなく、解説では省略されている部分、問題作成の背景はなにか、別解はないかなど、様々なことを時間をかけて熟考することが、遠回りのように見えて、物理ができるようになるための近道になります。
新物理入門に合う問題集は?
色々ある問題集の中でどれを使えばよいのか?というのは悩むことだと思います。
微積分を用いて解説している問題集というのはほとんどないので、基本的にはどの問題集でも問題ないです。評判の良い問題集の中で、自分にあったものを使うと良いでしょう。解説に対して、新物理入門を見ながらどれだけ自分の頭で熟考できるかがポイントです!
ただし、物理を習いたての人が、基礎的な問題集と一緒に使うのはオススメできません。一度でも高校物理の基本的な考え方や計算方法を勉強したことがないと、この参考書を読むのに必要な力が足りず、難しくて挫折してしまうかもしれません。
物理のエッセンスなどの基礎的な参考書を終わらせた人が、次の参考書と一緒に使うのが良いでしょう。
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