英語の音読は何回すれば良いのか? 本やネットの意見をまとめてみた

勉強法

語学の学習には音読が良いとは聞きますが、同じ文章を何回音読すればよいのかは意見が分かれるところでしょう。

「やればやるほど良い」という人や、「30回くらいがちょうど良い」とか、「回数よりも定着度合いが大事」とか言う人もいます。

僕が受験生の時は、時間がそれほどなかったのもあって、1つの長文あたり5〜30回程度の音読ですませていました。

しかし、それが本当に効果的な回数かどうかは分かりません。

そこで色々な意見をまとめて、最も良い回数は何回なのかを考察してみました。

有名な本で推奨されている回数とその理由

『英語の話し方』(絶版) 國弘正雄著

現在は絶版になっていますが、只管朗読 – かつうら英語塾に全文の抜粋があります。

同時通訳者として名高い國弘正雄先生の本です。この本で注目されたのは「只管朗読」と呼ばれる音読法で、かなり有名になりました。

「只管朗読」は、鎌倉期における曹洞宗の開祖、道元禅師が言った「只管打座」にヒントを得た言葉で、「憶えようなどというケチなことを考えず、ひたすら朗読する」という意味のようです。

音読回数

中学2〜3年の教科書を利用して、500〜1000回を目安にただひたすら音読するように、とあります。

どこの勉強法をみても、音読の回数としては1番多いのではないでしょうか? あまりにも大変なので、挫折してしまう人も多そうです…

回数の根拠

大きな根拠は経験則的なもののようです。「只管朗読」を続けた結果、英会話ができるようになった経験や、同様の学習法で多くの人に効果が出たことなどから確信を得たそうです。

文中で著者は、「意味のないことばを繰り返し吐くということが、なにか精神の統一と安定を可能にし、あるいは心をむなしくすることに役立つ」と述べています。

暗記しようと思わずに何度も音読することで、英語が自然と身につく無の精神状態になるとの考えです。

科学的な根拠もあるようです。手や口を動かすことで、肉体に記憶されたものは運動記憶と呼ばれます。これは、記憶の正確性を高めてくれるのが、科学的に明らかになっています。

ひたすら口を動かすことで体に覚えさせる、ということでしょう。ですが、これは数百回音読することの根拠にはなり得ません。50回や100回ではいけない理由は見当たりませんでした。

英語上達完全マップ

英語学習の方法を体系的に説明した有名な本です。著者は瞬間英作文などのトレーニングを考案し、TOEICや英会話の勉強をする人から支持されています。

著者は「只管朗読」をやっていたようで、音読の方法はそれを参考にしているようです。

書籍も販売されていますが、ほぼ同じ内容がネットに公開されているので、手元に置いておきたい人以外は買う必要はないでしょう。→英語上達完全マップ

音読回数

一周目は30回音読し、何周かやって最終的に100回になるまでやることを勧めています。

「只管朗読」よりは少ないですが、試験まで時間がない人には厳しいですし、これでも挫折してしまう人はいると思います。

回数の根拠

著者は英語塾を開いており、はじめは100回x5セットで「只管朗読」をやらせたようです。

しかし、挫折する人が多かったために、100回から90、80、と少しずつ減らしていきました。

20回まで減らした時に効果がガクッと下がったそうです。30回にもどして効果が安定したので、結果的に30回という具体的な数字に落ち着いたという経緯があります。

実際に塾生にやってもらい、最小の労力で最大の効果を生む回数を見つけているので(ゲーム理論で言うミニマックス戦略)、かなり参考になる数字と言えるでしょう。「只管朗読」の改良版と考えても良いかもしれません。

その他書籍・有名人の意見

東進ハイスクールの今井宏先生は「さあ、音読だ ~4技能を伸ばす英語教育法~」と言う本で、一日30分音読をやった結果として、音読回数が20回くらいになっているのが望ましいと述べています。根拠は特にありませんでした。

灘高校の先生である木村達哉先生(通称キムタツ)は英語の復習法(保存版!)|キムタツブログで20回と述べています。根拠はありませんでした。

ネットの記事ではどうなっているか

色々なサイトに、音読についての記事があります。

そのなかでも、回数について言及しているサイトを探してまとめました。根拠に乏しい記事もあるので、全てを信用するのは良くないでしょう。

 

サイト1:30回

初級者は一日30回が良い。初級者は1分位で音読できる英文しかやらないので、一日に30分くらい音読に当てると考えればそれくらいになる。

1つの英文あたりではなく1日あたりの回数についてしか述べていませんでした。根拠もしっかりしたものではないので、あまり参考にならないでしょう。

 

サイト2:30回

一日にTOEICの参考書1冊を1回音読することにしたら、30回目くらいの音読から内容が劇的に頭に入ってきた。30回以上はやると良い。→4ヶ月でTOEICスコア870点達成。

経験則的に、30回あたりから急激に効果が上がったと述べています。個人差はもちろんあるとは思いますが、英語上達完全マップと一致した意見というのは興味深いです。

 

サイト3:50回

数回では足りない。数をこなすべきなので、多くやればやるほど良い。50回は必要になる。

根拠がないサイトでした。なぜ50回かが分からないので、参考程度にとどめておきましょう。

 

サイト4:50回

最低でも50回以上で、多ければ多いほど良い。

こちらも同様に根拠がありませんでした。

 

サイト5(学習塾のサイト):30〜100回

30~100回で、返り読みしなくなる・英文構造がすぐに分かるようになる・分速180wordで英文が読めるようになる。300ワードの英文にして50~100本の英文を50~100回音読すれば、初見の英文でもスラスラ読めるようになる。

音読の効果についてのみ、長々と書いてありましたが、肝心の根拠は何もありませんでした。聞いたことのない塾だったので、ちょっと怪しいような気もします。

 

サイト6:100回

前に120回音読した参考書の内容は、短期記憶から長期記憶となり、今でも覚えている。長期記憶にするためには、100回ほどの音読が必要だ。

自身が120回音読した経験から、100回ほど必要ではないかと考えているそうです。

 

サイト7:30〜40回

同じ長さと難易度のフレーズを10個用意して、音読回数を変えて覚えてみた。20回以下のものは1週間後にほとんど忘れていたが、40回以上のものはしっかり覚えていた。30〜40回ほどの音読に効果があると思われる。

自分で実験している興味深い例でしょう。2週間後、3週間後にどうなっているかは分かりませんが、英語上達完全マップの結論に似ています。

 

サイト8:納得いくまで

若い時には50回音読をやって得るものがあった。音声と同時に英語がスルッとでるまで音読するのが目標。今は数百回くらいやらないとできないが、若い人はもっと少なくてもいいかもしれない。

自分の場合はどうか、という1例として書いてあります。

 

サイト9(学習塾のサイト):10〜30回

発音や文章構造に気をつけて英語学習をしたら、1〜3回の音読ではもったいない。最低でも10回、できれば30回やってほしい。

音読の利点や、やる前の下準備については詳しく書いてあるが、根拠は何もなかったです。

 

サイト10(学習塾塾長のサイト):30回

30回音読している指導中の高3の生徒は期待通りの成績が出ている。なぜ30回なのかといえば、いままでの指導経験と、ナポレオン・ヒルの「黄金律」から弾きだした回数だからだ。

ナポレオン・ヒルは成功哲学で有名な人です。「黄金律」を使ってどのように弾きだしているかは分かりませんが、指導経験から30回としているそうですね。

まとめ

基本的には、有名で発言者に信頼がおけるものは出典を載せておきました。

理論的に考えるだけでは30回・50回・100回のどれが良いかは分からないと思います。参考になるのは実験的・経験的に推奨されている回数でしょう。

ネットの記事は、根拠がなければ信頼できるものは少ないです。なので参考程度にして欲しいですが、経験則的に根拠が得られるものの中で一番多かったのは30回あたりだと思います。

ですが、100回以上やると長期記憶に残ると言う意見もありました。これは「英語上達完全マップ」で最終的にやる回数と同じです。

つまり、以上をまとめるとすれば、

  1. 短期的に覚えられるまでは30回以上
  2. 長期的に記憶するためには100回以上

といった感じになるでしょう。根拠のあるサイトから得た数字(30や100という数字)が、「英語完全上達マップ」と一致していることから、この2つはある程度の信頼性があるのではないでしょうか?

当サイトの結論

先程まとめたことですが、毎回100回も音読していたら参考書が終わらなくなってしまいます。

ということで間を取って、

  1. 通常は30回の音読を目安にする。
  2. 質の高い参考書や、30回では覚えきれなかった参考書は30回以上音読して、長期記憶になるようにする。(目安は100回)

というのを結論としたいと思います。

これからの語学の勉強の参考になるから、この記事書いて良かった・・・

もちろん音読のやり方や、個人によって効果に差がでるとは思います。あくまで参考値として下さい。

コメント・質問

  1. てるみん より:

    回数の結論を出すのは難しいと思っていましたが、根拠も沢山調べてあって、非常に参考になりました。ありがとうございます!

    • suraimu より:

      てるみんさん
      コメントありがとうございます。少しでも参考になれば大変嬉しいです。
      音読頑張ってください!

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