東大生が思う新大学入試制度の良いところ悪いところ

大学受験

新制度の大学入試、「大学入試共通テスト」が2020年度から始まります。

近年問題点が色々と指摘されている形式のテストなのですが、センター試験を実際に受けた者として、新制度の問題点などについて色々と思うことを言いたいと思います。

そもそも「大学入試共通テスト」とは

政府が教育改革を行うために2020年度からの導入を決めた新形式のテストです。

今までの共通1次試験である「センター試験」のかわりとなり、約50万人もの受験生が受けることになります。

センターとの大きな違いは2つあります。1つ目は記述式の導入、2つ目は英語の民間試験の導入です。

記述式を導入する理由としては、センター試験のようなマーク式の試験だけでは測ることのできない、思考力や判断力を評価するためだとしています。

完全に全てを記述式にするのではなく、国語や数学以外の科目はマーク式テストのままのようです。国語や数学に関してもマーク式と記述式の問題をリピータ両方出題するようです。

英語民間試験の導入に関しては、リーディングやリスニングだけではなく、採点が難しいスピーキングやライティングなども含めた、英語4技能を評価するためだとされています。

先日、大臣の失言によって、英語民間試験の導入は延期になったようです。

参考:https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00035970.pdf&n=R3共通テスト出題教科・科目の出題方法等.pdf

「大学入試共通テスト」の利点欠点

記述式試験について

記述式の試験を行うとのことですが、これには様々な問題があります。

僕が思う一番の問題点は、採点者の質です。

たくさんの受験生が同時に入試を受けることになるので、記述式の採点に関わる人も膨大になります。全ての人間がミスすることなく採点を行うことができるでしょうか?

採点業務はベネッセに委託されて行われるとの報道がありました。つまり、今後の人生を左右する重要なテストの採点を1つの企業が行うことになります。

通常、ベネッセなどで行われる模試の採点というのは、大学生のアルバイトなどが行なっていることが多いです。「共通テスト」の受験者数は模試よりも膨大になるので、アルバイトの使用は避けられないでしょう。

僕も受験時代にいくつか模試を受けましたが、(記述式において)その採点については首を傾げざるを得ないものもいくつかありました。

それと同様の採点を行われたら、人生がかかっていると言っても過言ではない受験生はたまったものではないでしょう。

その点、マーク式だけの試験だったら、すべての答案を機械で正確に採点することができます。気をつけるべきなのは、受験生側がマークミスをしないように注意するくらいで、採点側は公平でいることができます。

記述式の問題というのは、確かに、受験者の思考力を判断するのに最適な試験です。実際、大学入試の二次試験では、多くの大学が記述式試験を採用していて、その傾向は大学のレベルが高くなるほど強くなります。

しかし、それは採点者の質があってこそのことです。東大の受験生は、東大の教授達が採点をしてくれるので安心して受験ができるのです。これが大学生のアルバイトだったら、入試の結果も本当に公正なものなのか分かりません。

2次試験で記述をやるなら、センター試験を廃止する理由はないのでは…

僕が1番言いたいのはこうです。

「二次試験で記述式やるところもあるんだから、無理して一次試験で記述式をやる意味ねーよ!」

英語民間試験導入について

英語民間試験試験の導入については以前から問題が指摘されていました。それは、経済状況による不公平が生じてしまうことです。

比較的裕福な家庭は、何度も民間試験を受験することができ対策も容易です。しかし、貧しい家庭では受験費用の捻出にもお金がかかるので本番一発勝負になるかもしれません。

この問題を指摘された大臣が「身の丈に合わせて」などと発言したことが問題視され、導入は延期となりました。

そうはいっても、この経済格差の問題はここだけに限った話ではないことを注意する必要があります。

富裕層は子供の教育にお金をかけることができるので、その分子供の学力が高い傾向があります。実際に、東大では親の平均年収が平均よりも高くなっているというデータもあるのです。(僕の家はそれほどお金持ちではなかったので、塾にはいかなかったですが、それは少数派だと思います)。

つまり、メディアや野党が行ったこの手の格差への批判は、もっと広い視野で行うべきだと思います。

英語民間試験の導入について、この経済格差という視点から批判をするのはナンセンスで、入試以前の教育機会の格差について批判をするべきでしょう。今後何らかの対応をするべきだと思います。

僕はこの英語民間試験の導入について、条件付きでは賛成でした。

英語におけるスピーキングやライティングの能力というのは、日本においても要求されることが年々多くなっています。全世界の多くの人とのコミュニケーションを取るための手段なので、高度な自動翻訳などができない限り、要求され続けるでしょう。

英語4技能を試験に導入することで、教育側も、段々とそれに対応していき、日本人のスピーキングやライティングの能力も以前より高まるかもしれません。

もちろん、リーディングやリスニングへの学習時間が減ってしまう分、そちらの能力低下はあるかもしれませんが、今までのバランスの悪い状態は避けることができます。スピーキングやライティングの学習が、リーディングやリスニングの学習にも効果を発揮することもあるでしょう。(それら4技能を教師側が教えることができるのかどうかはまた別の問題です。しかし、受験生がより積極的に4技能の学習をするようになるでしょう)。

しかし、この民間試験をどれにするかは大きな問題です。先ほど、条件付きで賛成と述べたのもこの部分です。

どうせやるなら、TOEFLやIELTSなどの、海外でスタンダードになっている英語試験を導入するべきでしょう。東大でも大学院の入試などで、TOEFLを使用していることが多いです。(TOEICのところもあります)。

これらの試験は、実際に留学などをする際に、大学で使用されている試験です。もちろんアウトプット系の技能の試験も含まれいるので、4技能をバランス良く評価することができます。

世界中の人が受けるだけあって、テストの質はかなり高いです。採点もしっかりやってくれます。

日本の民間でやっているようなテストが悪いとは言いませんが、世界に通用する英語かどうかを試験した方がよいと思います。なんのための英語なのかを考えるべきです。

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