初心者向け!運動方程式・運動量保存則・エネルギー保存則の関係

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運動方程式・運動量保存則・エネルギー保存則の関係

3つの式を制すれば力学マスター!

力学で必要となる基本的な概念のうち、大事なのは特に以下の3つです。

  1. 運動方程式
  2. エネルギー保存の法則
  3. 運動量保存の法則

もしかしたら力学のうち「円運動・単振動」や「惑星運動」などを既に勉強しているかもしれませんが、上の3つの式を組み合わせて問題を解くことが多いです。

この基本となる3つを使いこなせるようになれば、高校力学の多くの問題が解けるようになります。

分からない問題に出会ったら、これら3つのうちどれが使えるかを考えてみましょう。とりあえずこの3つのなかから何かを立式するだけで、問題が解けてしまうことも珍しくありません。

運動方程式とその他の違い

運動方程式と、エネルギー保存則・運動量保存則には大きな違いが1つあります。それは、どの時点に注目して式を立てているかです。

運動方程式は、ある1つの時点における運動の状態を示す式です。その場での加速度や力の関係を表します。

しかし、他の2つはある時点ともう一つの時点の、2つの状態の関係を表す式です。例えば、エネルギー保存則なら落下しはじめのボールと、落下し終わったボールの2つを考えて立式すれば良く、あいだの状態は考える必要はありません。運動量保存則なら、衝突の前と後の2つを考えるだけで済みます。

問題によっては、ボールの自由落下などのように、運動方程式とエネルギー保存則のどちらでも解ける問題などがあります(実際に両方で解いてみると実感が出ます)。エネルギー保存則ははじめと終わりを考えるだけで良いのですが、運動方程式はある時点での状態しか分からないので、はじめから終わりまでの間の状態も考えなくてはなりません。

このように、式の意味の違いを理解しておくだけで、より簡単な方法で問題を解くことができるようになるのです!

実は運動方程式だけでよい!?

実は運動方程式を使えば、理論上はエネルギー保存則・運動量保存則は使わなくても、問題が解けます。

つまり、運動方程式さえあれば、物体の運動が全て分かるのです。これを考えてみましょう。

まず、運動方程式である瞬間の加速度が分かります。この時点の時刻を\(t=0\) としましょう。ある瞬間の加速度がわかるなら、そこから一瞬だけ時間が経った時の速度がどれだけ変化したのかもわかります。そうやって、一瞬一瞬の加速度と速度変化を考えていくと、どの時刻\(t\) の速度でも全て分かるようになります。

これで物体の速度は全てわかりました。あとは物体の位置も同様の方法でわかれば、物体の運動が全て分かったことになります。

やり方は先程とほとんど同じです。すでに一瞬一瞬の速度が分かっています。

ある時点での速度が分かるので、その一瞬だけ時間が経った時に位置がどれだけ変化したのかもわかります。同様にして、一瞬ごとの速度と位置変化を考えていくと、どの時刻\(t\) の位置でも分かるようになります。

エネルギー保存則や運動量保存則は、毎回運動方程式を使うと大変なので、よく使う公式として覚えるものでもあるのです。

ではエネルギー保存則と運動量保存則はなんなのか?

運動方程式だけで良いのならば、力学のエネルギー保存則と運動量保存則は何のためにあるのでしょうか? 3つの式の関係性については教科書に書かれていません。詳しいことは大学に入ってから習いますが、難関大学の受験生はみんな知っていることなので、ここで軽く説明しておきましょう。

結論から言うと、力学のエネルギー保存則と運動量保存則は、運動方程式から導出できるものなのです!

運動方程式を少し変形して、積分という操作を行うと、力学のエネルギー保存則と運動量保存則を導くことができます。

ここで式だけをお見せしましょう。微積分を習っていない人は、積分で導出できるという事実だけを実感してもらえればいいです。加速度は速度を使って、\(a=\frac{dv}{dt}\)と表せることに注意しましょう。

まずは運動方程式の両辺に速度をかけてエネルギー保存則を導きます。

\begin{eqnarray} m\frac{dv}{dt}=F \\ mv\frac{dv}{dt}=Fv \\ m\frac{d}{dt}(\frac{1}{2}v^2)=Fv \\ \frac{d}{dt}(\frac{1}{2}mv^2)=Fv \end{eqnarray}

ここで左辺は運動エネルギーの変化率、右辺は仕事率を表します。これを時間積分すればエネルギー保存則が導びかれます。

次に運動量保存則を導きましょう。

\begin{eqnarray} m\frac{dv}{dt}=F \\ \frac{d}{dt}(mv)=F \end{eqnarray}

ここで左辺は運動量の時間変化率、右辺は力を表します。これを時間積分すれば運動量保存則が導かれます。

 

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